艶消しとは?艶ありとの違いと選び方のポイント
フロアコーティングにおける「艶消し仕上げ」とは、床材表面の光沢を抑え、マットで落ち着いた質感を演出する施工法です。従来の「艶ありコーティング」が持つ鏡面仕上げのようなピカピカとした反射感に比べて、艶消しは自然素材の風合いや木目を引き立てるため、近年とくに人気を集めています。
この艶消しの魅力は、単なる見た目だけにとどまりません。現代の住宅事情においては、インテリア全体の調和が求められることが多く、木製家具や観葉植物との相性、ナチュラルモダンや北欧スタイルなどの空間デザインとの親和性の高さも評価される要素です。住宅購入層やリノベーション希望者を中心に、艶ありから艶なしへ切り替える傾向も見られます。
以下は、艶ありと艶なしの違いを比較した一覧です。
艶ありと艶消しの比較
比較項目
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艶ありコーティング
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艶消しコーティング
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見た目の印象
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明るく反射する光沢感
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自然で落ち着いたマットな質感
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傷の目立ちやすさ
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小さな傷が反射で目立ちやすい
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傷が目立ちにくくナチュラルに隠れる
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掃除のしやすさ
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汚れが光に反射して目立つ
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汚れが目立ちにくい
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インテリアとの相性
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グロス系家具や鏡面仕上げの設備と調和
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木材、布製家具、観葉植物と好相性
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ペットや子ども
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表面が滑りやすく事故の懸念あり
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滑りにくく安全性が高い
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人気の傾向
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高級感を求める層に人気
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自然派や安全重視層に選ばれる傾向
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家族構成によっても選択は変わってきます。小さな子どもやペットがいる家庭では、滑りやすい艶ありよりも、摩擦抵抗が高くて安心できる艶消しが好まれる傾向があります。とくに高齢者のいる家庭では、転倒防止の観点からも艶消しが推奨されるケースが多いです。
現在では、艶あり・艶なしの中間にあたる「半艶仕上げ」や「調光タイプ」なども登場していますが、明確に「ツヤを抑える」ことを重視するなら、やはり艶消し仕上げが選ばれるべき選択肢といえます。
このように、仕上がりの好みや暮らし方、家族構成、床材の種類まで総合的に判断し、艶消しコーティングを選ぶことで、見た目と実用性を両立した理想の空間が実現できるのです。
艶消しコーティングの実例と仕上がり写真素材別
艶消しフロアコーティングが実際にどのような仕上がりになるのか。これは写真で見比べないと分かりづらいと感じる方も多いはずです。本項では、主な床材ごとの艶消しコーティング実例をもとに、仕上がりの傾向や適性、注意点を詳しく解説します。
まず艶消しコーティングが多く選ばれている素材の筆頭が「無垢材」です。天然木の表情をそのままに見せることができ、光沢を抑えたことで木目や節が映える上質な空間に仕上がります。特にオークやウォールナットなど深みのある木材では、艶消しが持つ落ち着きが極めて映えます。以下に施工例を比較形式でまとめました。
床材別 艶消しコーティングの仕上がり比較
床材の種類
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艶消し施工の特徴
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向いている住宅タイプ
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無垢フローリング
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木の質感を最大限に引き出し、深みと高級感を演出
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自然派住宅・注文住宅・リノベーション戸建て
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複合フローリング
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表面化粧材の質感を損なわず、均質な仕上がりに
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分譲マンション・建売住宅
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タイル床
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光沢が抑えられモダンでマットな空間に仕上がる
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キッチン・玄関・トイレなど水回り空間
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クッションフロア
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ビニール層でも反射を抑え、静けさや柔らかさが引き立つ
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子ども部屋・保育施設・音に配慮した住宅
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突板仕上げ
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表面を保護しつつ木質感を損なわない上品な仕上がり
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高級マンション・モデルルーム
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タイル床への艶消し仕上げは、一般的には敬遠されがちですが、近年ではキッチンやトイレなどでの採用も増加中です。特にUV硬化型コーティングを使えば、撥水性と防汚性を兼ね備えたマットな床を実現できます。
艶消しの施工写真では「光が反射しない」「全体に一体感が出る」「家具との調和が取れる」などの評価が多く、実際のレビューでも満足度が非常に高い傾向にあります。また、艶ありと比較して「指紋が目立ちにくい」「足跡がつかない」など、日常的な使いやすさでも好評を得ています。
実際に導入されたユーザーからの声として、「小型犬が滑らなくなって安心して歩けるようになった」「子どもの裸足での移動が快適で安心」「観葉植物やファブリックとの調和が取りやすい」など、生活の中での体感価値が高いことが分かります。
艶消しコーティングは、ただの意匠性ではなく、素材の個性を生かしながら空間全体の質を引き上げる非常に効果的な施策です。導入の際には、使用している床材に合ったコーティング剤の選定、経験豊富な業者の選定、写真による実例の比較などを踏まえて検討することで、より満足度の高い仕上がりにつながります。