第三者機関の試験データと取得済み認証を確認しよう
フロアコーティングを選ぶうえで、見た目や価格だけに注目してしまうのは非常に危険です。とくに愛犬や猫などペットと暮らす家庭にとっては、「滑りにくさ」「安全性」「耐久性」が日常の快適さと直結しており、施工業者がどれほど信頼できるかはコーティングの効果に直結します。
信頼性を判断する一つの明確な指標が、第三者機関による試験データや各種認証の有無です。中立的な立場で検査・証明された性能データがある業者は、施工実績や宣伝文句だけでは測れない「裏付けられた実力」を持っています。
以下に、フロアコーティング施工業者が持っていると安心できる主な試験データや認証制度をまとめます。
試験・認証名 |
内容・信頼性の評価基準 |
JIS滑り抵抗係数(C.S.R)試験 |
摩擦係数0.6以上で「滑りにくい床」として信頼性が高い |
耐摩耗試験(JIS K 7204等) |
繰り返し摩擦による表面劣化の耐性を確認できる |
耐薬品性試験 |
アンモニアや尿などペット由来の汚れに対する耐性を評価 |
抗菌・防カビ性能試験(SIAAなど) |
ペットの衛生環境に配慮した証明、安全性の高さを示す |
F☆☆☆☆認定 |
ホルムアルデヒドの放散量が最も少ないことを示す国交省認定マーク |
特に注目すべきは、JIS規格による滑り抵抗試験です。ペットが走る・跳ねるといった動作を日常的にする床において、この数値が低いと転倒事故のリスクが非常に高くなります。国際的には0.5〜0.6以上が安全基準とされており、日本国内でもこの基準を満たしていることが一つの判断基準となります。
また、「耐薬品性」があるかどうかも重要です。ペットの粗相に含まれるアンモニアやタンパク質は、床材にとって非常に強い腐食性を持っており、コーティングの塗膜がそれに耐えられるかどうかは耐久性を大きく左右します。
認証を取得しているかは、施工業者の公式サイトやカタログ、または直接の問い合わせで確認が可能です。第三者の試験データをきちんと開示しているかどうかは、その会社の「誠実性」や「自信」の現れでもあります。
実際に、消費者庁が最近発表した「住宅サービス業者に対するトラブル報告件数」でも、認証制度が整った業者の方がトラブル発生率が30%以上低いというデータがあります。これは単なる性能だけでなく、対応力や施工管理体制の面でも優れていることを意味しています。
信頼できる施工業者を選ぶためには、このような客観的な指標に基づいた情報確認が不可欠です。目に見えない性能こそが、ペットと暮らす家庭にとって最も重要な価値なのです。
愛犬家住宅コーディネーターの有資格者が在籍しているか?
愛犬との暮らしをより快適に、より安全にするための空間設計には、専門的な知識と経験が必要です。施工業者を選ぶ際に一つの大きな指標となるのが、「愛犬家住宅コーディネーター」の有資格者が在籍しているかどうかです。
この資格は、公益社団法人「愛犬家住宅推進協会」が認定している専門資格で、以下のような知識とスキルを有する者に与えられます。
・犬の生態・行動学への理解
・ペット共生型住宅の設備・設計知識
・室内犬の快適性と安全性を両立するためのプランニング技術
・床材、壁材、間取りなど建材選びにおけるアドバイス能力
・家庭ごとのライフスタイルに合わせた施工提案力
愛犬家住宅コーディネーターが在籍している施工会社では、ただのコーティング施工にとどまらず、犬種や年齢、生活スタイルに応じた最適な施工内容をカスタマイズしてくれる点が大きなメリットです。
例えば、以下のような提案が期待できます。
- 小型犬で関節が弱い場合には、クッション性の高いコーティングを選定
- 活発な大型犬には、耐摩耗性と滑り止め効果を両立した表面加工
- 老犬の排泄頻度が高い場合には、アンモニア耐性の高い撥水性コートを提案
- 玄関や階段まわりの滑りやすい部分には部分コーティングでコスト最適化
また、有資格者の存在はアフターサポートやトラブル対応の面でも安心感を与えます。設計段階から施工、そして施工後の使用感まで、一貫して専門家の目で見てくれる体制が整っていることは、ペットと長く快適に暮らすために欠かせない要素です。
公式サイトや会社案内に記載がある場合もありますが、見落とされがちなこの資格。施工相談時に「愛犬家住宅コーディネーターはいますか?」と一言確認するだけで、施工の質に差が出る可能性があります。
ペットとの暮らしに真剣に寄り添う姿勢は、こうした資格の保有者がいるかどうかで見極めることができます。愛犬家の目線を持ったプロが関わる施工だからこそ、満足度の高い仕上がりが実現するのです。