市販のUVコーティング剤を使ったDIY方法
UVフロアコーティングは、専門業者に依頼しなくてもDIYで施工できる方法が注目を集めています。ホームセンターや通販では、個人でも扱いやすい市販のUVコーティング剤やDIYキットが手に入るようになっており、施工に必要な道具も比較的シンプルです。作業の準備段階では、まずフローリングの表面をしっかり掃除し、塵や油分、水分などの不純物を取り除くことが重要です。次に、紫外線ランプやローラー、マスキングテープ、換気設備などの道具を揃えておきましょう。
作業時には、塗布前に室内の気温・湿度を確認し、塗料の乾燥を妨げない環境を整える必要があります。UVコーティング剤は一度塗りで完了するものが多いため、失敗が許されにくい点も理解しておきたい部分です。照射時間や距離、塗り厚の均一性を意識しながら、UVライトを丁寧に照射していく工程は集中力を要します。また施工後も塗膜が完全に硬化するまでは時間がかかる場合があり、ペットや子どもがいる家庭では注意が必要です。
下記は市販の代表的なDIYキットとその特徴を比較したものです。
製品名 |
価格帯の目安 |
施工難易度 |
必要機材 |
推奨照射時間 |
硬化時間 |
特徴 |
フロアプロUVクリアセット |
約15,000円 |
中 |
ローラー・UVランプ・マスキングテープ |
約10秒 |
約1時間 |
耐摩耗性に優れる |
UVカバーDIYライトセット |
約12,000円 |
やや高 |
UVライト・ブラシ・保護手袋 |
約8秒 |
約30分 |
ツヤ重視タイプ |
ホームコートエコUV |
約9,800円 |
低 |
スプレー・手動ライト |
約15秒 |
約1.5時間 |
施工が簡易で初心者向け |
施工にあたっては説明書の指示を厳守し、無理のない範囲で作業することが大切です。特に紫外線ライトの取り扱いには注意し、肌や目を守る保護メガネや長袖の着用を推奨します。
DIYで失敗しやすいポイントと対策
フロアコーティングを自分で行う際、特に注意が必要なのが「塗りムラ」「密着不良」「乾燥不足」の3点です。これらは仕上がりの品質を大きく左右し、見た目や耐久性の低下につながるため、事前に対策を把握しておく必要があります。
まず塗りムラの原因として最も多いのが、塗料の伸ばし方にムラがある場合や、ローラーの使用方向を統一していないことです。これにより光の当たり具合で見た目に差が出たり、部分的に厚みが異なったりすることがあります。対応策としては、薄く均一に塗布することを心がけ、端から端まで一方向に塗ることを徹底するのが基本です。
次に密着不良についてですが、これは床面に埃や油分が残っている場合、また下地処理が不十分な場合に発生します。密着性が悪いと施工直後には問題がなくても、数か月後に剥がれや浮きが起きてしまいます。下地処理の段階では、アルカリ電解水や中性洗剤を使ってしっかりと脱脂し、乾燥も十分に行うことが必要です。
乾燥不足は、特に湿度が高い時期や、換気が不十分な環境で起こりやすいトラブルです。塗料が完全に硬化しないまま家具を戻したり、歩行したりすると、表面に傷や足跡がつきやすくなります。乾燥時間は製品ごとに異なりますが、最低でも表示されている時間以上は置いておくのが安全です。特に冬場など乾燥が遅れる時期は、UVライトの出力や照射時間を調整することで乾燥効率を上げる工夫も必要です。
プロとDIYのコスパ・仕上がり・耐久性の違いとは?
DIYと業者施工の最大の違いは、「仕上がりの完成度」「耐久年数」「アフターサポート」にあります。費用面ではDIYが圧倒的に安価に済みますが、その反面、作業時間と技術的ハードル、施工後の保証の有無など、リスクや労力が大きく異なります。
例えば市販のUVコーティング剤を使用した場合、材料費や道具代を含めても1部屋あたり1〜2万円程度で施工できますが、プロに依頼した場合は1平米あたり3,000〜5,000円が相場で、1部屋あたり5万〜10万円ほどのコストがかかることも珍しくありません。この金額の差が、DIYを選ぶ大きな理由の一つとなります。
しかしプロ施工では、業務用の高性能UVランプや厚膜コートによる仕上がりの美しさ、耐久性の高さが魅力です。多くの場合で10年以上の耐久年数が期待できるのに対し、市販のDIYコートでは数年単位での再施工が必要になるケースもあります。さらにプロ業者では施工後のアフターサービスや保証がつく場合があり、万が一の不具合にも迅速に対応してくれる点が安心感に繋がります。
また仕上がり面でも、プロの施工はツヤ感・透明感・防汚性が段違いです。フローリングの素材に応じた最適な施工方法や薬剤を選択できる知識があるため、素材を傷めることなく、高品質な保護膜を形成できます。反面、DIYでは塗膜の厚さが安定しなかったり、UVライトの照射ムラで部分的に強度が落ちたりと、見た目・機能面のバラつきが出やすい点はデメリットです。